Dec 12, 2007

チョットした、希望

みなさん!



電車の乗り換えが、嫌になったことってよくありますね?



普段、何気なく行っている行動も、ある日突然、嫌になったりするものです。



例えば、乗り換えるために、阪急梅田駅から、阪神梅田駅へ、地下を通って歩かなければならなかったり、又あるときは、電車の時間の相互性が全くなかったりと、様々な懸案があるはずです。






私は、いつも、できるだけ早く、無駄なく、移動できるように、駅構内を早歩きをしています。ですが、やはり、梅田周辺、三ノ宮周辺は人がとても多い!



私個人としましては、これが嫌で嫌で、本当に仕方がないのです。






真っ直ぐ行くことが最ルートになることは、当たり前ですが、人をよけなければならない為に、多くの時間のロスと、ストレスを溜め込みます。



私は、これをなんとかしたいと、今までずっと思ってきました。






そこで、今回、この解決策になるかもしれない、論文を紹介します。



これは、人間の判断過程を知ることを目的とした内容で、もしかしたら、自身の行動にも当てはまり、かつ、改善策が見つかるかもしれないものです。




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「土木計画学研究・論文集 No.23 no.2 2006/9」より
『鉄道駅構内の歩行者空間における交差現象に関する研究』



1.はじめに
“歩行者空間の環境改善”という課題が存在する。本研究では、鉄道駅等の混雑した空間内で見られる歩行者間の交差現象に着目し、対向流を横断する歩行者の横断意思決定に至る要因を明確に見出す。なお、本研究では「歩行者挙動」を「歩行者行動」の中で見られる直進、停止、回避、追い越しといった歩行動作とこれらに伴う歩行速度の変化と定義する。
2.本研究は、歩行者挙動分析に着目している。歩行者空間の計画・設計に当たっては、特に他者との相互関係から生じる歩行者挙動の要因を見出すことが重要である。本研究は、交差現象のうち、特に横断者に注目し横断意思決定に至る要因を捉える。


3.横断者の横断意思決定モデルの構集
(1)非集計モデルの適用可能性
 横断者は、通路に入場すると、対向者ならびに同じ方向に進行する歩行者との相対位置・相対速度、また目標とする地点までの距離を勘案し、横断方向に進行した場合の接触の可能性を予測した上で、横断方向への進行か横断を見送り直進かを逐次意思決定していると仮定する。横断者が意識する他歩行者について、本分析では横断者の位置と目標とする地点である意識エリア(図1)を設定する。目標とする地点は、図2の横断者の軌跡図から画像左下の地点(図3の画像内の○印の地点)付近に軌跡が収束していく傾向が見られることから、この地点を目標とする地点と設定している。本分析では、横断者の逐次意思決定を二肢択一の意思決定問題として捉え、横断者が横断意思決定するモデルに非集計モデルを適用する。
   
図 1 横断者の軌跡図
図 2 意識エリアの概念図
               

図 3 横断者の横断プロセス

(2)最近接対向者との間で生じる抵抗感の表現
 横断者が横断の意思を決定するうえで、対向者との速度関係、位置関係は極めて重要な要因になると考えられる。特に横断者に最も近い対向者は、横断意思決定時点を左右する。本研究では、横断者が最近接対向者から受ける抵抗感が横断意思決定に大きく影響するものと考え、この2者間で生じる抵抗を水理学における層流時のせん断応力の考えを参考に式(1)のように表現する。

図 4 相対距離
 なお、図4に示すように座標系を設定しているため、横断者の歩行速度に対する符号を負として、2者間の相対速度を算出する。
(3)横断意思決定モデル
 以上の仮定の下で「横断方向に進行するか」、「横断を見送りそのまま直進するか」の横断意思決定モデルを構築する。表1は、尤度非最大となったケース(0.5秒前と1.5秒前のデータを用いたケース)におけるパラメータ推定結果を示したものである。サンプル数は247サンプルである。推定されたパラメータより、最近接対向者との間で生じる抵抗が横断者の横断意思決定に大きく影響していることが読み取れる。また、意識エリア内の状況が横断方向への意思決定に影響していることも読み取れ、横断者の横断意思決定に至る要因が明確に記述されたモデルであると考えられる。

4.おわりに
 推定された横断意思決定モデルのパラメータより、最近接対向者との間で生じる抵抗が横断者の横断意思決定に大きく寄与していること、また意識エリア内の状況が横断意思決の判断要因となっていることが明らかとなり、横断者の横断意思決定に至る要因を明らかにできたと言える。本モデルの適用場面としては、歩行者空間の改善策を歩行者シミュレーションにより検討する際の評価指標として用いることが考えられる。具体的には、横断者の横断方向への意思決定確率がどのように変化するのかを見ることで横断のしやすさを評価する目安になる。
 歩行者空間の質的向上が求められている今日、歩行本位の空間整備を進めていくことが必要である。そのためには、歩行者の行動特性を捉えることが極めて重要であり、本研究はそのことに対し有用な成果を示していると結論づけられる。

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