ラタナキリのホテルは、 「テラ・ルージュ」と決めていた。ガイドブックのホテル概要やネットの案内写真を少し観るだけで、居心地の良さが伝わってきたからだ。その結果、予想以上の満足を得ることができた。本心、都市から離れた地方都市にこれ程、環境の良いリゾートホテルがあるとは思わなかった。
ホテルは、全体的にクメール木造建築を主体として、フレンチ・コロニアルを採り入れた構成となっている。特徴的なのは、主館2階のバルコニーである。ここのソファーに座りながら、湖の対岸の淡い赤瓦の建物を見ていると、時間が経つのも忘れて、そのゆっくりとした流れに浸ってしまう。
また、手入れの行き届いた中庭は、格好の遊び場であり、その子供たちを眺めながら過ごすのは、最高に心地よい。敷地の奥にはプールがあり、夜、水面下からのライトアップによるブルーに光輝いていた。その水の中を泳ぐのは、格別だ。そして、その隣の建物は、バーとマッサージとなっており、たった15ドルでココロもカラダもリラックスできるのである。
おそらく、ここで過ごした日々を忘れることはないだろう。
主館の1階、2階のそれぞれバルコニーにイスと机が置いてあり、くつろぐことができる。2階へ上がる階段だけを取り上げても、そこには木彫が配置され、踊り場で折れ曲がる動線になるなど、視点の移動を考慮した設計となっている。この3階にあたる屋根裏部屋に滞在した。大屋根の妻にある手摺が、その部屋用のバルコニー部分である。1泊85ドル。
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